現在オーケストラの裏方バイトで北海道のだいたい真ん中から西側を回って
いました。各地の小中学校の体育館の中に特設舞台をセッティングして、プロ
のクラシックのオケの演奏と雰囲気を体感してもらうという趣旨のものです。
その演奏の模様をお伝えする写真を一枚見ていただきましょう。

指揮者がいて弦楽器や管楽器奏者のオーケストラ団員がいて舞台の上にはこの後
オーケストラとの共演を控えた子供たちが・・・・・
あれ??なんか左の方のハープの手前になんか変な楽器を持った人が写りこんで
いるような・・・。
拡大してみましょう。

これはサックスを吹いているまぎれもなく僕です。
それは今回の演奏旅行、バイト初日の朝起こりました。
早朝学校に入って体育館に舞台を組み、団員さんや指揮者やソリストの控室の
準備をし、到着したセントラル愛知交響楽団常任指揮者齊藤一郎氏に
「おはようございます!」
と挨拶をしたところから始まりました。
挨拶も早々にこんな衝撃的なお言葉が・・・「サックスやってるんだよね?
アルト?楽器持ってきてる?あぁ、それじゃあ1曲入ってほしい。」
というわけでマエストロの鶴の一声で1分少々の短い曲ですが急にプロオケに
入って演奏することになりました。曲は黛敏郎のスポーツ行進曲です。吹奏楽の
アレンジが一般的な曲でサックスのパートが重要なのですが今回団員さん達の
中にサックス奏者はいません。
このオーケストラでバイトし始めて5年以上、齊藤さんとは常任指揮者に
就任した2009年
からのお付き合いですがまさかこんな展開になるとは想像して
いなかったです・・・
しかもこんなジャズポピュラー系のサックス奏者が・・・普通はあり得ないと
思います。
写真見てあまりの違和感に笑えてきます。自分がスーツ着てオケの中で吹いてる!

とにかく初日は心も身体もバタバタでした。まず当然譜面が用意されていない
ので急いでスコアから書き写して楽団の車の中で練習してゲネプロ(リハーサル)
に臨みました。そしたら書き写したキーが違って譜面書き直しととにかく焦り
ました。
僕の出番はこれだけかと思ったら本番直前にまたマエストロから
「楽器紹介もお願いします。」
と言われました。子供たちにこの楽器はこういう名前でこんな特徴があって
こんな
音がするんだよと1つ1つソロ演奏しながら紹介するコーナーです。
もう本番まで時間がなかったので初日の楽器紹介コーナーでは「虹の彼方に」
のメロディーをルバートで軽くフェイクアドリブ入れつつソロで吹きました。
子供たちからも団員さんたちからも拍手をもらえて一安心しました。
終演後に片付けの作業をしていたら子供が握手してほしいと言ってきました。
本当に本当に心の底から嬉しかったです。
その日は裏方スタッフ達とマエストロと一緒に夕食に行きました。
マエストロは僕の楽器紹介を大変よく評価してくれてさらに
「団員を巻き込んでお前の一番得意なものを見せろ、ジャズでもなんでもいい。」
と言ってくれたので、翌日の楽器紹介に向けてコントラバスと打楽器の奏者
の方に手伝ってもらってオーケストラ内にジャズのコンボを結成しました。
大学時代のジャズサークルのベースの後輩にブルースのベースラインを譜面
にしてスキャンして送ってもらうように頼みました。
財満君ありがとう!助かった。
二日目の中学校では楽器紹介でコントラバスとドラムのバックでブルースの
アドリブを熱く吹き倒しました。かなり会場が盛り上がってすごく気持ち
よかったです。クラシックのコンサート会場の雰囲気を一瞬にしてジャズの
ライブハウスのような空気にできたんじゃないかなと感じました。確かに
すごく異色の時間だったけどコンサートにメリハリが出てよかったと言って
もらえました。


↑ブルースを吹き倒す様子(笑)見えにくいですがコントラバスの榊原さんと
ドラムの白川さんも写っています。
そして今度は三日目以降の小学校へ向けての準備です。大変だ!
僕が名古屋で指導している南山中学・高校男子部ブラスバンド部の顧問の先生
(同級生)に頼んで名探偵コナンのメインテーマとルパン三世のテーマのメロ
ディー・ストリングベース・ドラムの譜面を送ってもらうように頼みました。
崇君ありがとう!助かった。
三日目の小学校ではコナンのテーマを吹きました。やっぱりアニメの曲はウケ
がいいですね。

そして四日目の小学校ではルパン三世のテーマ。小学生はコナンの方がいいの
かなと思いましたが個人的にはこの日の方が会場が沸いたような気がしました。


終演後楽屋の片づけをしに校内を回っていると先生に呼び止められて
「お疲れ様でした。あなたの演奏がすごく印象に残ってるって言ってる生徒が
いましたよ。」と声をかけてくれました。出番が少ないからこそ目立ってしまう
ということもありますがそれを抜きにしても、こんな嬉しい言葉はありません。
とこんな感じでバイトに来たつもりがバイト+出演と両方こなすというとんでも
ない展開になってますがこれはかなり自分にとって素晴らしい出来事だと思って
います。来週からはいよいよ東北地方です。
裏方として陰ながら子供たちと音楽をつなぐお手伝いができればと思って
いましたが直接自分の演奏を子供たちに伝えることができるチャンスを与えて
もらったのです。僕の表現する音楽を通して何かを感じてもらえたらそれは
とても幸せです。
